心の森、霧の向こう

わが子にかつての自分を見る

わが子にかつての自分を見る

2024年06月13日 10:17

子育てをしていると、わが子にかつての自分を見ることがあると思います。


「昔の自分を見ているみたい。」


こう思うことはないか、ちょっと思い出してみてください。


いかがでしょうか。


「ああ、言われてみればあるある。」と思う方、「あるのは当たり前じゃない?」という方、「まったく思わないよ。」という方、様々かと思います。


「ある」という場合には、特に同性の子にはそう感じやすい傾向があるかもしれません。


「昔の俺みたいだよ。まあしょうがないなあ。」


「昔の私みたい。あー恥ずかしいなあ。」


これくらいの気分だと大きく影響はないと思いますが、そこから、「苦しいなあ~」、「なんか嫌だなあ~」、「辛いなあ~」、「いらつくなあ~」という気持ちになり、なかなかおさまらない場合には、結構しんどいのではないでしょうか。


この現象はいったい何なのでしょうか。


こんなことをカウンセリングで話していくことが出来ます。


一つの可能性として親御さんご自身が、昔の自分を肯定的に受け入れられていない可能性があります。

自分にとって、嫌な面、ダメな面、受け入れたくない面を思い出し、それが目の前のわが子に重なってしまい、混乱を招いている状態と言えるかもしれません。



当ルームでの子育て相談では、親御さん自身の生い立ちを踏まえつつ、子どもへの関わり方について考えていきます。


ポイントは、目の前のわが子と、かつての自分は別人なので、しっかりと分けることが出来るかどうかにあります。


特に感情的な部分で分けられるかが大事です。


「頭では分かっていても、気持ちがおさまらない」ということがあるように、感情を切り分けるのは、とても難しいものです。


そこの境界線があいまいになると、目の前のわが子の態度に、見たくない自分の一面を重ねて見てしまい、感情的に振り回されてしまいやすくなります。


結果として、子どもを過剰に感情的に叱ってしまったり、反動として、無感情で機械的に扱ってしまうといったことになるリスクがあります。


かつての自分と目の前の我が子を分けて把握する、かつての自分を大事に思えるようになる。


これが出来てくると、目の前の子どもへの態度も、マイルドに、ほどよくなっていけると思います。


これは、言葉にするのは容易いですが、実際の場面で実行できるようになるのは、一筋縄ではいきません。


継続的なカウンセリングが必要です。


「こうやってバットを振れば、ヒットが打てる」といくらイメージトレーニングをしても、試合でヒットを打つのは難しいのと同じです。


実際にカウンセリングで、対話を続けることで、練習試合の実践が必要です。


目の前の子ども、かつて子どもだった自分、今の自分の3者を視野に入れながらカウンセリングを進めていきます。


子どもの心も、大人の中の子どもの心も、大人の心も同時に見ていくこと、かつそれぞれを切り分けて考えていくこと、扱っていくことが安定に向けて大切です。


まずはお子さんのサポートを優先するのか、親御さん自身の心のセラピーを優先して行うのか、家族全体を視野に入れて家族のサポートを優先するのか、現実的な状況を見極めながら目的を定めて関わっていければと思います。


子育てが苦しい方、自分の心の課題を感じている方のご連絡をお待ちしております。