じっくり個人と向き合う場って、そもそもあったっけ?
2024年08月05日 11:54
昨日、全国学校臨床心理士研修会に参加してきました。
スクールカウンセラーが学校現場でどのように児童生徒の支援を行うかについて学んできました。
研修では、個人的なカウンセリングよりも、児童生徒への授業や、学校組織への働きかけなど、集団を対象とした技術についての話題が中心でした。
個人心理臨床が基本形、集団へのアプローチは発展形という認識が、臨床心理の世界のベースにあります。
学校現場では、基本形は当然として、そこからの応用、発展形を中心として活動が展開されています。
ここで、私の中で一つの疑問が湧いてきました。
そもそも、心理の専門家の間での認識は、一般の方にとってはどうなのだろう。と。
一般の方で、個人カウンセリングが基本で、スクールカウンセラーは応用なんだ。
という認識を持っている方は、ひょっとして皆無に等しいのではないか。
むしろ、スクールカウンセラーが基本で、民間のカウンセリングルームは、未知の特別な存在。
こんな方が多いのではないでしょうか。
なぜならスクールカウンセラーは国を挙げて全国に配置しており、知名度が高い一方、自分の様々な心の相談をする街の民間カウンセリングルームが、身近にない、あっても知らない方が大半だからです。
あるいはスクールカウンセラーは始まって30年の歴史があり、30代より下の世代の方は、小中校のどこかで実物のカウンセラーを見たことがある人が多いと思うからです。
身近に歯医者があって、学校にも健診で歯医者さんが来る。
これと同じような感じで、街にカウンセラーがいて、学校にもカウンセラーが巡回してくる。
ではないイメージの方がほとんどなんじゃないでしょうか。
日本だと街にカウンセラーが(ほとんど)おらず、学校にはいる。
ということです。
これだと、「学校のカウンセラーが良い方だった、家族の相談もしてみたい、自分の相談もしてみたい」
でも、スクールカウンセラーは基本、子どものことしか話せない、子どもが在学中しか話せない。
「自分の家族のこと、自分の性格のこと、話せる場があればいいのになあ。でも、なかなかないなあ。」
と、諦めている方が多い気がします。
こんなことに世の中がなっているのではないか。
このような問題意識もあり、当ルームを立ち上げました。
基本形を提供する場が、当たり前に利用できる場として、ある。
これがやっぱり最初に大事なのではないかと思います。
あなたの日々接するご家族のこと、あなたが歩んできた人生、そこに横たわる心のモヤモヤはいろいろ誰しもあるでしょう。
それを、ちょっと自転車で、ちょっと一駅電車に乗って、ちょっと歩いて、相談しにいけるカウンセリングルームが欲しいと思いませんか。
私は思います。